現在はビスタカーEXとしてリニューアルされている近鉄30000系、1978年に新製された当時のオリジナルな姿で作ってみました。
先の京阪旧3000系と共に、関西私鉄の中では個人的に思い出深い車輌なので、いつかは作りたいと思っていたのですが、何やらレゴトレイン界隈でダブルデッカーが盛り上がっているようなので、丁度いいタイミングです。鉄は熱いうちに打て…という、まぁ、そのまんまな感じで。
あと、最近ちょっと自分の作風がマンネリ化してきていかんな…という思いがあるので、もう少し進化させる意味で、ちょっとした目標を立てています。
・客用扉の更なるリアル化(0.5ポッチ後退)
・ポッチ出しを出来るだけ控える
・箱根組を進化させる(張り上げ屋根への廻り込み表現)
・レアカラーへの挑戦
・鉄道模型として通用するくらいの外観
といった処です。
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編成全体の図。
中川のデルタ線があるので、あっちこっち編成の向きが変わってややこしいのですが、
Wikipedia先生に従って、大阪上本町に向かって右側を「山側」・左側を「海側」と呼ぶ事にします。
この画像では大阪・京都発着編成の場合、一番手前の車輌が、車内販売準備室付きのモ30200形(Mc1)、続くダブルデッカーがサ30100形(T1)、サ30150形(T2)、最後尾がモ30250形(Mc2)になります。床下に抵抗器がズラリと並んでいる側が「海側」ですね。
先頭の運転席直後にある白い窓が車内販売準備室ですが、反対の「山側」に窓はありません。
「先頭と中間車作って、それぞれコピーすればいいのでラクだな…」と思い込んでいたのですが、特に先頭車は、車内販売準備室の関係で窓割りが全然異なり、客用扉の数自体も違うんですね。2階立て車輌も、車体は進行方向に対して対称ですが、床下は基本的に向きが揃っている…という感じです。なかなかラクはさせて貰えない(笑)。
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気になる分解図。狭窓と、それに揃った幅で張り上げ屋根部分に廻り込んだ飾り窓が悩み処…と、手を動かすまではフォースの弱さを露呈させていた感じなのですが、やってみると案外カンタンでした。脳内ビルドで練り込んであった…というのもあると思いますが、中間車であるダブルデッカーの設計は半日で完了です。
2階の狭窓自体は5プレート=2ポッチ高×同幅という寸法なので、普通の横組で窓間の1プレート分の柱も簡単に表現出来ます。その送りに合わせてクリアのポチスロを2個づつ並べた飾り窓を置くわけですが、1プレート分の窓間は、1x2タイルを半ポッチ内側に寄せて嵌め込んであるだけです。完全な面仕上げにはなりませんが、車体端部と中央付近の曲面ブロック(%6091)の印象が影響して、案外きれいに見えます。
外観を見ると、さぞ複雑な組み方をしている…ように見えますが、箱根組は車端部から5つ分の飾り窓だけです。後述する中央にある折戸の方が難しいくらいです。
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0.5プレート分後退させた折戸の構造。順組だけだと先のキハ35の応用でいいのですが、横組が混じると、奥行きの0.5プレート後退分と順組部分との固定…という2つの要素を考えなければいけません。
単に凹凸を嵌め込んで上下で押さえれば…という方法が使えません。ユニット全部をポッチ接続しないといけません。
…その上、横組部分に塗り分けが掛かる、という、谷底に突き落とされるライオンような気分です。
具体的に言うと、0.5プレートの後退はヘッドライトと1x1ブロック側面1ポッチの差分を活かして固定。順組と横組部分の接続はブラケットと1x1ブロック側面1ポッチを、風吹けば桶屋が儲かる式リレーで世の中繋がっているんだよ…的な良く分からない説明の間接的接続です(笑)。適当に分析してみて下さい。言葉ではうまく説明出来ないです。具体的に言うんじゃなかったのか。
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メンバー紹介です。奥がモ30250形(Mc2)、手前が車内販売準備室付きのモ30200形(Mc1)、共に主制御器が付いた「山側」です。
客室窓は普通の横組なので、客用扉と先頭部分以外は室内広々。PF機器は問題無く入ると思います。受信機の受光部は、屋根中央部分の2つのヒューズポックスあたりに出すとスマートですね。室内も作れそうですが…あぁ、目標には入れていないですね。
117系や京阪3000系で苦労した、動力台車の取付ですが、今回は中心ピン位置を簡単に移動出来るようにしてあるので、動力化にあたっての修正はほとんど要らない筈です。
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手前がサ30100形(T1)、奥がサ30150形(T2)、同じく「山側」から見た図、です。クリアブロックがキラキラ輝いて独特の密度感が出るモデルになると思います。アクセントとして、車端部床下に黄色いハンドスコッチを付けてみました。実車は白ですが、この辺は個人的な好みで…。
1階部分の組み方をもう少し工夫すれば、エントランスの階段を含めて、室内が作れるくらいの余裕はあります。今回のモデルは、案外室内がキツキツじゃないんですよ。向こう側が透けて見えないのは、客用扉だけです。
高さは京阪旧3000系のダブルデッカー車と同じですが、全長いっぱいに2階部分の窓があるので、もの凄いボリューム感です。この車輌だけを見ると、アメリカの大陸横断鉄道のような感じがします。
実車は、入り口横の窓越しに設置されたフロア案内と行き先案内表示や、吹抜けのエントランス部分など、独特の雰囲気がある車輌です。乗り込む時のワクワク感を今でも思い出します。リニューアルされたEXはどんな感じになったのでしょうか。
…そういえば、乗り込んでからの「あれ、外から見えてた小窓は何処いったん?」というオチもチャメっ気がありましたね。本当に飾り窓だったのか(笑)。
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モ30200形(Mc1)の先頭部分アップ「山側」の図、です。
張り上げ屋根は、リッチなボリューム感があっていいですね。
今回、一番難しかったのがこの顔部分。オーソドックスなパノラミックウィンドウ&貫通スタイルですが、シンプルゆえにバランスを取るのがもの凄く難しい。おまけに、色に対してパーツの種類が極端に少なくて、難易度が思っていた以上に高かったです。この先頭車、ダブルデッカー車の5倍くらいの時間が掛かってしまいました。
オデコのL字アンテナ、思いついた時は、このパーツ!ピッタリじゃないか!…と思って取り付けてみると…逆やん(笑)。まぁ、いいか。下向きのがあればいいのに。
難易度は高かったのですが、実際に供給されているパーツの種類を確認しながら作っていったので、ここまで出来れば、リアル化するのは容易だと思います。あと半月早ければJAMに間に合ったかも知れないのに。
最後の問題はコストですね。既に来年分の予算を前倒しで使っている状態ですけど、コレを作らなければ一生後悔しそうですしねぇ…。